走り出してしばらくは、マシンの状態のチェックとなる。
実は、マシン修復中に、いろいろな方から声を掛けられた。
SUGOの鈴木課長。この大会をいろいろな面でサポートしてくださっている。
そして、久々の登場のささき恵一氏。彼とも長い付き合いだが、このところあまり会っていない。レーシングコースのスケジュールの合間に、顔を出してくれたのである。
そして、RQチームのドライバーとして、少しの時間走ることになったようである。
しかし、私自身はかなりテンパッていて、二人には満足に受け答えしていられなかった。
ささき氏は「今から僕も走るから、是非バトルをしよう」と言ってくれるが、残念ながらこの状態のマシンでは相手がレンタルマシンとはいえどうにもならないだろう。
まずは、数周タイムを気にせずマシンチェック。修復部分が抜けてくるのが怖いので、ステアリングはずっと押しっぱなしの状態である。ストレートでも若干ステアを当てないと真っ直ぐ走らない。コーナーでもいつも違った蛇角を与えないといけない。この状態では無茶はできないか?とも思った。
ささき氏が搭乗したマシンは、ちょうどコースでは反対側にいるようだ。これを待つことになるのか。しかし、待ってしまったらバトルになってしまう。このマシンは、チェッカーまで大事に運ぶ必要があるのだ。
そんなことを考えながら走行しているが、どうも蛇角以外の不安はないようだ。もちろん、縁石に乗ることはできないだろうし、無茶な力が加わらないように手前のブレーキングで減速してコーナーをクリアしなければならない。
と、そこで一台のマシンにパスされた。本能的に、そのマシンに付いて行ってみると、なんと追いつくようなのだ。電光掲示板を見ると、こんなマシンで5秒台までタイムが回復しているではないか。ここから、このマシンとしばらくの間やり合いが続くようになる。
ささき氏のマシンに、2台接近状態で徐々に近付いていく。10コーナーで、走りはじめのこちらの気持ちとは裏腹に、一瞬でパスしてしまった。
そして、ウチのチームはこのスティントが決勝中初めて55分のフルスティントの走行となった。
コースは徐々に日が落ちてきていた。残りは2時間となった。