レースのスタート直前のグリッドは、チーム全員で記念撮影などをして和気あいあいとなる。
しかし、その場には私はいつもいないのだ。そう、選手紹介やらなんやらのスタート進行は私に任されているからである。
一旦頭を切り換えて、過去のレース状況などを交えながらチーム紹介へ進む。
今年もスタートドライバーは尊師杉山に任せる。FK9とSUGOと安定が必要なスタートは彼しかいないのだ。
レースのスタート方式は、カートにはあまり無いスタンディング式。グリッドからシグナルによってスタートするF1方式なのである。そのために、クラッチがないKT100のマシンは最後方から押し掛けでスタートすることになった。
まずは、グリッド整列からフォーメーションラップがスタートする。本来は、KT100のマシンは、フォーメーションラップをしなくても良かった。それは、もう一度グリッドに付いた時点でエンジンがストールしてしまって再度押し掛けが必要になるからだ。しかし、何を思ったのかスタートドライバー押し掛けを始める。
が、ここでとんでもないことが起きてしまう。そのKT100のエンジンが掛からないのだ。最後方グリッドから1コーナーまでトライするが掛からない。今更グリッドに戻すわけにもいかず、ピットスタートの指示を出した。
レースは、予定より若干遅れてスタート。トップの2台がダントツの速さを見せる。KT100のエンジンにも火が入った。が、ここで前代未聞のトラブルが起きてしまう。レースが3週目に入ったところで、計測装置がレースモードではなく、タイム計測モードになっていることがわかったのだ。
通常、レースモードでは、通過順に順位が表示されるが、タイム計測モードではラップタイム順に順位が表示されてしまう。途中切り替えできないのを確認して、レースの中断を通達する。
普通の20周ぐらいのレースの場合は、そのまま進行させて手記入の順位を結果として出すこともある。が、今回は、これから8時間あるのだ。これはどう考えても無理なことである。
赤旗中断して、選手・チームに事情を説明。燃料補給など全てを禁止して、レース自体は全く最初からのやり直しとする。
今度は綺麗なスタートがきれた。良いスタートを切ったのは、トップの2台はもちろんだが、なんとレンタルマシンで参加しているRQチーム#33 Team Blue Mountain の事務局長が気合いのスタートを切ったのだ。ウチのマシンの杉山#93も良いスタートだったのだが、1コーナーでノーズを入れてきた。辛うじてアウトから交わしたのだが、背後に迫ってきた。8時間の戦いが今始まった。
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/1・KT100の参加
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/2・前準備
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/3・最初のトラブル
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/4・決勝の朝
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/5・決勝スタート!!
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/6・トラブル発生
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/7・最大のトラブル
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/8・走っていてこそマシン
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/9・さまざまな想い
- Q!!Maru_2006_8時間耐久レース/レースリポート/最後のオチ
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